ILS TOP100企業
2017年10月23-25日虎ノ門ヒルズで行われた第5回イノベーションリーダーズサミット(ILS2017)のメインイベント、大企業とスタートアップのマッチングプログラム「パワーマッチング」において、大企業から人気のスタートアップ「ILSTOP100」を紹介します。

アイデアの“価値を可視化”する新技術で、
新規事業の創出、人事の最適化を効率化する

ILS TOP100

執筆者: 佐々木 正孝  編集:菊池 徳行(ハイキックス)

「うまくいくのか?」……不可視だったものを
定量化する「ideagram」は何をもたらすのか 事業や製品・サービスの紹介

photo1.jpg アイデアや創造力――これまで感覚的に語られていたものを可視化してくれる新サービス「ideagram」を開発したのが、VISITS Technologies株式会社だ。

ideagramは特許を取得した独自のアルゴリズムにより、アイデアや創造力を定量的に測定する。具体的には、参加者に「アイデア創造」と「アイデア評価」という2種類のセッションを受けてもらい、個人のクリエイティビティをスコア化。アイデアを考え出す「創造力」に加え、アイデアを評価する「目利き力」という要素も判定するという。

セッションを通じて参加者の創造性が存分に引き出され、新規事業アイデアの創発が活発化する仕組みだ。また、事業開発の仕組みを改善することも視野に入れている。新規事業企画やアイデアコンテストが不首尾に終わっても、そのプロセスには変数が多すぎるのがネックになる。

やり方がまずかったのか? いいアイデアが出なかったという創造性の問題なのか? はたまた審査員の目利き力がなかったのか? など、問題を特定するのは難しかったのだ。ideagramによってアイデア創発のプロセスを可視化することで、効果的にPDCAサイクルを回すフローが見えてくる。

分析されたスコアは「適切な人事配置」「効果的な採用・研修」にも有効だ。たとえば、新規事業開発であれば現場はクリエイティブに秀でた人材が、マネジメントには目利き力が高い配置が望ましいといった具合だ。アイデア価値の定量化は、組織づくりにおいても様々なメリットをもたらすのだ。

事業開発に加えて採用、研修ツールとしても
注目を集め、グローバル展開も視野に 対象市場と優位性

photo2.jpg これまでになかった発想で構築されたサービスだけに、ideagramには明確な競合が存在しない。まったく新しいツールとしてあらゆる業種・業態に親和性がある。事実、「ILS2017」(イノベーションリーダーズサミット)でのマッチングから30社以上の企業との商談につながった。Webでのオファーも大手企業を中心に1日数十件ほどが舞い込んでいる。

ideagramは企業がSaaSとして導入を検討するケースもあるが、新規事業開発の活性化から採用・研修に至るまで、ワンストップでコンサルティング業務を受託するプロジェクトも進んでいる。イノベーションを生み出す体系を企業風土、企業文化として根付かせる年間契約が考えられるという。

研修、新規事業のコンサルティングはすでにスタート。採用関連ではダイバーシティ採用が注目を集めるなか、エントリーシートの代替としてideagramのセッションを活用する動きもある。次世代型採用の先端ツールとしても期待がかかる。

2018年からは英語版をリリースし、海外展開を順次進めていく予定だ。仮想通貨の技術を組み込み、アイデアの流通マーケットを世界的に構築していく構想もある。そこでは消費者、市場関係者から収集したニーズ、解決案のデータベース化が進む。企業は自社の技術やサービスをこのデータと突き合わせ、ストロングポイントを活かしたソリューションとして事業化できる。

新規事業はひらめくものではなく、検索するものになるのだ。これぞ、消費者が起点になるイノベーションのエコシステム。グローバルサービスの伸びしろも含め、見据える市場スケールは計り知れない。

AI万能論が語られる今こそ、人ならではの
クリエイティビティを活性化させていきたい 事業にかける思い

同社代表の松本勝氏は、ゴールドマン・サックス社でトレーダーとして活躍していたキャリアを持つ。その後、AIを活用したヘッジファンドを設立。アナリストの目利き力を可視化し、自動売買するトレーディングシステムを構築した。

その後、「人を科学する」というビジョンのもと、採用を科学するプラットフォーム「VISITS OB」などのサービスを開発し、ideagramに至る。

「これまで、アイデアやクリエイティビティは右脳的な感覚面からしか語られていませんでした。私たちはデザイン思考を持ちつつ、データサイエンティストとして創造力を捉えられる稀有な集団だと自負しています」と松本氏は語る。人間の創造力・目利き力をスコア化するというアプローチは、「AIが人間の仕事を奪う」と言われる情勢に一石を投じる動きでもある。

「共感すること、そして、目的を作ること。これはAIではできない人ならではの領域です。人の創造力、アイデアの種を可視化することで、目的の創造というクリエイティブを人が担い、AIはそれを実現する最高の部下として機能していく。そんな関係性が理想でしょう」

AIと人が拮抗するのではなく、共存しながらそれぞれが得意な領域で活躍する時代へ――。VISITS Technologiesは人を科学しながら、ハートフルな未来創出を目指す。

VISITS Technologies株式会社
代表者:松本勝 氏 設立:2014年6月
URL:https://visits.world スタッフ数:50名
事業内容: アイデア測定・抽出ツール「ideagram」の開発、キャリア形成プラットフォーム「VISITS OB」の企画、運営。
これまでの資金調達額(出資額)と主な投資会社名:
株式会社ベクトル、三菱UFJキャピタル株式会社、ほか既存株主等を引受先とする第三者割当増資などにより5億7000万円 
ILS2017 大手企業との商談数: 15社

当記事の内容は 2017/12/26 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。